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2010年2月27日 (土)

涙しまくり・・・「いいかげんがいい」

本を読み終えました。

    いいかげんがいい

              鎌田實著  集英社

Img_3553

文庫本を少し縦長にしたサイズ。

パラパラと見たところ、短時間で読めそうなかんじです。

でも、読書スピードの恐ろしく遅い私は数日かかってしましました。

今日、夕方から夫は会合があって出かけたのを幸いと。。。

この本の、残りの部分を読み始めたのです。

朗読教室に通ったりしているので。。。

一人っきりになれた時間は、声をだして読めるチャンス!!

アナウンサーの方、俳優さん。。。のレベルには程遠いのですが・・・

気分はそんな感じで読み始めました(笑)

ところが、ところが。。。涙がうるうる。。。字がまともに見えなくなったり

喉にこみあげてくるものが、声をふさいでしまうのです!

これではアナウンサーや俳優さんの真似・・・失敗ですね!

沢山の付箋をつけたり、マーカーで色づけしたり。。。

人生のラストステージを考えさせられる内容です。

今夜、涙した部分を紹介しましょう!

 冬が終わるころの話だ。 70歳の男性が、緩和ケア病棟に入院してきた。

咽頭がんがあり、骨に転移していた。  かつての彼はワーカホリックで、仕事のことしか頭になかったという。 それが晩年、ひょんなことから山歩きを始め、山が好きになった。

東京と蓼科を行き来するうち山で暮らしたっくなり、白樺湖の奥に山荘を建て、大企業の役員を辞めた。

 年をとってからスキーに夢中になった。ゲレンデで滑っているうちに、若い仲間ができた。集まると、みんなで一緒に山の中を滑りまくった。

 がんとの闘いは、数年前から続いていた。がんが再発し、進行しているのも、医師からの説明で知っていた。しかし、彼は負けなかった。手術をし、放射線治療を受け、体調がよくなると、また仲間たちに支えられ大好きなスキーをやりつづけた。がんが骨に転移して、もう痛みをやわらげる以外治療のすべてがなくなり、ぼくらの病院にやってきた。

 病室に回診に行くと、ぼくがスキー好きなのを知って、いつもスキーのことを話しかけてきた。声帯を除去していてしゃべれないので、筆談である。

 昨年も、雪の上にシュプールを描いたという。もちろん、今シーズンはまだ滑っていない。

 信州の長い冬も終わりに近づいたある日、彼がメモ用紙にペンを走らせた。

〈 もういちど すべりたい 〉

痛いほどの願いが込められた10文字を見て、ぼくは約束せずにはいられなかった。

「4月の第1日曜日なら体があきます。スキー場までお連れしますよ。一緒に滑りましょう」

 諏訪中央病院の看護師に、偶然、彼のスキー仲間がいた。サポートしてほしいとお願いした。

 その看護師から、ほかのスキー仲間にも連絡がいった。10人の若い仲間たち。 みんなで準備を進めた。人生の最後になるかもしれないラストスキー。 もう一度、彼を滑らせてあげたいと、みんなが思った。

 ウェーデルンの激しいターンは無理だろうと、彼は承知していた。ゆっくりゆっくりパラレルで、もう一度だけ滑りたいと夢見ていた。

 しかし約束の日の1週間前、がんは脊髄に転移し、両下肢がまったく動かなくなった。

彼の夢だったスキーをすることはできなくなった。

 四月の第一日曜日、10人の若い仲間たちが病院へやってきた。それぞれが雪だるまを持って、やってきた。 彼の大好きな蓼科の雪でつくった雪だるまが10個、病室のベランダに並んだ。

 本当はゲレンデに立って、春山をパラレルで滑り降りたかった。どんなにか滑りたかっただろう。

 間に合わなくてごめん。心の中でつぶやいた。

 しかし今、彼と彼の仲間たちは、10個の雪だるまを見ながら、その向こうにそびえる信州の山並みを見上げている。11の心が一つになって、同じ風景を眺めている。

 もう筆談はできなくなっていたけれど、ぼくには彼が「満足だよ」と、みんなに語りかけているように思えた。

 春の訪れとともに、彼は逝った。

 若い仲間たちに見送られて。

  *

もう少し文中から引用したお話を書かせて下さい。

 watch with me 「私と同じ風景を見よう」 とは、もともとは新約聖書のマタイ伝に書かれたイエス・キリストの言葉だという。

 死を予期したイエスが弟子たちに、「ここを離れないで、私と一緒に目を覚ましていなさい」と語りかける。

 近代ホスピスの創設者であるシシリー・ソンダースは、そんなイエスの言葉にターミナルケア(終末期ケア)を行うホスピスの基本精神を託し、「困難の中を生きる人に寄り添おう」と呼びかけた。 

 緩和ケア病棟で死を間近にした人たちを診ていると、watch with me の大切さが、よくわかる。

  ***

 最近、友人のお一人が、がん治療(抗がん剤)を断って、緩和ケアにきりかえたと、電話で聞きました。 

とっさに何と言って差し上げたらよいのか?

「よく決心なさいましたね。。。」 と。。。言ったのですが。。

これで良かったのだろうか?  

年を重ねてくると、 色々な場面に遭遇する。

思いを深く・・・生きていかなければいけない。。。

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コメント

こんばんは
日野原先生の講演のブログをちらっとみて
コメントをと思いながら2~3日PCから離れていたら
千の風にのって、そして今日のブログと読みがいのあるブログが続きtomokoさんの感性に感心です。
缶田先生の{いいかげんがいい」読んでみたくなりました。
短い期間に野原先生、鎌田先生という素敵な先生に意欲的にふれようとせているtomokoさんの意欲にも感心します。見習いたいです。

おはようございます。
ここの所訪問する度に、よいお話や御本の紹介があり心を揺さぶられていました。
最近は何かと落ち着かず、文章を書いたり、本を読みきる集中力がありません。
里の母も「年をとるという事はこんなにも情けない事か、何も出来ない!」と嘆きます。
tomokoさんのブログ、プリントアウトさせていただき、母に読んで聞かせたいと思います。
そしてこの本も是非是非2人で読みたいと思います。

tomoko さんのブログを訪問するたびに、
私の知らない知恵と感動を頂いています。
だから毎日お邪魔をしています。
有難う!

昨日早速本屋さんに行って『(千の風になって)紙袋に書いた詩』
を買ってきました。私はこの詩が大好きですが、
途中で声が詰まり最後まで声が続きません。

我が家の猫も(ミーちゃんと言う名前です。


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